四国では一年中、お遍路さんが歩いているのを見ることができます。
男女の区別なくお遍路さんはみんな白装束と言って背中に南無阿弥陀仏と書いた白い着物の上着を着て下には白いズボンをはいています。頭には袈裟をかぶっています。杖を片手に持っているのですぐわかります。着物の下にはTシャツを着たり寒くなれば暖かいセーターを着ている人もいます。
老若男女も年齢も関係なくみんなほとんど同じ服装です。
ひとりで歩いている人や自転車の人、何人かで話をしながらの人も見かけます。
でも、ほとんどはひとりで歩いてますね。
もちろん、ツアーでバスやタクシーで回っている人もいます。
バスやタクシーの人は観光も兼ねているのかとても楽しそうに見えます。
ひとりで歩いているお遍路さんは黙ってひたすら前に進んでいる感じです。
もちろん春や秋は多いのですが夏休みを利用してか真夏に歩いている人も見かけます。香川県の夏の暑さは尋常じゃないので本当にすごいなあと思います。とにかく蒸し暑いです。湿度が高いのと風がほとんどないのが特徴です。特に夕方のまだ暑いときに風がピタッと止まる時間帯があるのです。
この暑さにはインドネシアやミャンマーやフィリピンの人も2年くらいはつらいそうです。とにかく汗がだらだらいくらでも出てきます。お風呂に入った後でもまた、汗をかくのです。クーラーの部屋でも温度によっては汗が出ることもあります。
お遍路さんは何を考えながら歩いているのだうかと思いますが、それはやっぱりただ、ひたすら暑い、暑いと思いながら歩いているのでしょうね。
でも逆に香川県では冬は雪もほとんどつもることはありません。雪が降ってもすぐ止みます。雪はとても珍しいのでちょっと降っただけでもみんな嬉しくてぎゃあぎゃあ騒ぎます。なんだかとても雪を見ると楽しい気持ちになり嬉しくなるのです。
東北や北海道の人とは違ってほとんど降らないので生活に影響が出ないのです。だからのんきな気分で楽しくいられるのだと思います。
昔は家に来た人をお茶やお菓子やご馳走でもてなしたりもしていたようです。家が広いと泊めてあげたりするところもあったようです。
今はもうそのようなことは聞かなくなりました。治安のこと等もあるのでずいぶん変わったのだと思います。
それでもまだ私がこどもの頃はたまにみかんをあげた、とか聞いたことはありましたね。
そして、お遍路さんが来た家にはいいことが起こるとか言って喜んで接待をしていたようでした。
今はあげる人ももらう人もお互いに警戒する時代になったのかと思うとなんだか切ないですね。
徳島県から高知県、愛媛県、最後に香川県の順番に88カ所を巡ってい行きます。
逆うちといって逆に香川県から回る人もいます。また逆うちの年もあるそうです。
ただ、逆うちはとてもしんどいそうです。
普通に周るだけでも冬は徳島や高知は雪が積もるし、高知や香川では夏の暑さは30度を超える日もたくさんあるので本当に大変だと思います。
車で周るにしても大きな乗用車よりは軽自動車の方が小回りがきくので運転するにはいいかもしれません。細い道やなかには舗装もしていない道もあるので対向車がきたりしたら大変な場所もたくさんあります。
それでも何度も周る人もいます。
周るときにお札を収めるのですがそのお札の色によって回数が違っています。
一番多い人は金色のお札です。なかなかその方を見たことはないのですが、必ずと言っていいほどどこのお寺にも金色のお札が収められています。
回数ごとに色が変わっていくのですが、いつから四国88カ所巡りを始めたら金色のお札になるのだろうかと思います。
ただ、歩くだけではなくてその間の宿泊費や食事代、四国に来るまでの旅費また、時間的なことなどを考えても一生のうちに一回だけでも88カ所巡りができる人はやっぱりすごいなあと思うのです。
昔からずっとああったのですが私がこどもの頃はお年寄りの人が多かったように思います。
多分、定年退職してお金と時間ができた人が来ていたのではないかと思うのです。
でも、今はこんな時代になったから
かこんな時代だからこそなのか若い人も結構見かけるようになったような気がします。
実際、お遍路周りをして人生観が変わったという人もいるし、ガンになってお遍路周りを始めた人がいつの間にかガンが治っていたりする人もいるようです。何千人も何万人もの人が四国を一周するのだからそんな人が出てきても不思議ではないのかもしれません。それにしても不治の病が治ったとか聞いたらやっぱりもうどうせだめもとなんだからといって始める人がいるのも不思議ではないと思います。どんなに医学や科学が進歩してもまだまだ分からないことや不思議なことがたくさんあります。
お遍路周りもそんな不思議な話がたくさんあります。昔からそんなご利益が欲しくても寝たきりでお遍路まわりができない人の代わりに行く人もあったようです。一度でも大変だと思いますが何回も行く人もいるのです。それだけこの土地にはいまだに証明できないけれども不思議ななにかがあるのかもしれません。
今までも、これからもずっとこの四国88カ所巡りは繰り返されると思います。
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